群馬県は、かか天下と空っ風という言葉が有名だ。
2月も終わろうかというのに、赤城颪(おろし)の冷たい風が頬をたたく。
春の暖かな風が待ち遠しい。

2月23日(土)。
NHK公開セミナー、100分de名著「源氏物語~源氏物語に吹く風~」に行って来た。
講師は、上智大学文学部教授の三田村雅子先生。

「海の面うらうらとなぎわたりて、行く方も知らぬに、来し方行く先思しつづけられて、
 八百万神もあはれと思ふらむ犯せる罪のそれとなければ
とのたまうに、にはかに風吹き出でて、空もかきくれぬ。

あの世から吹く風、魂を呼び戻す風、風の巻き起こすドラマについて熱く語り、
聴衆を源氏物語の世界へ・・・・・。

「面白い!」。
充実したひとときを過ごすことができた。

夜、宴席で74歳の方と同席した。
日本酒の話になる。
日本酒は、「風を飲む」。
「えっ!」。
その地域に行ったときは、その土地の酒、料理を食べる。
それは、風をいただくことだという。

今朝の天声人語には、こんなことが書かれていた。
「都市の魅力は、積もる歴史と集う人々、そこに満ちる空気が醸し出す。」

目に見えぬものに魂を感じた一日だった。