ワンガリ・マータイ

小説『上杉鷹山』の本がどこかにあるはずだ。
そう思い、探すこと3日間。
やっと、本棚の奥から見つけ出すことができた。

132ページに、次のようなことが書かれている。
「私は甘かった。そこで、深い絶望感に襲われた、灰をしばらく見つめていた。やがて私は灰管を取って灰の中をかきまわしてみた。すると、小さな火の残りが見つかった。その火の残りを見つめているうちに、私は、これだ、と思った。これだというのは、この残った火が火種になるだろと思ったからだ。そして、火種は新しい火をおこす。その新しい火はさらに火をおこす。そのくりかえしが、この国でもできないだろうか、そう思ったのだ。」

ノーベル平和賞を受賞したケニアの環境問題活動家、ワンガリ・マータイさんが9月25日死去した。
マータイさんは、日本語の「もったいない」という精神を世界に広める努力をされた方でもある。
1977年、マータイさんは7本の木の苗を植えた。
グリーンベルト運動の始まりだ。
今では、3,000万本以上の木が植えられている。

マータイさんの訃報を知り、ふと、頭をよぎったのが、小さな火だった。